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議事録づくりが3時間から5分になった。
AIで議事録を自動化する実際の手順【指示文テンプレート付き】

AI研修の現場から 公開 更新

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会議のあと、議事録づくりに3時間かかっていた作業が、いまは5分で終わっています。使ったのは特別な有料ツールではなく、「議事録の型を、AIへの指示書にしておく」というひと工夫です。

わたしたちはこれまで50回以上、中小企業の現場で生成AI研修を実施してきました。そのなかで議事録は、AI活用の効果がいちばん早く目に見える業務です。ただし、文字起こしツールを入れただけでは時間はほとんど減りません。減らない理由と、実際に5分になった手順を、この記事ではそのまま真似できるレベルまで書きます。

最後に、わたしたちが実際に使っている議事録指示文のテンプレート全文を載せています。コピーして、社名と項目を入れ替えれば今日から使えます。

議事録に3時間かかる本当の原因は、「書く時間」ではない

議事録づくりを分解すると、実は「文章を書いている時間」はごく一部です。時間を食っているのは、その前後にある作業です。

工程 やっていること 時間がかかる理由
聞き返す 録音やメモを見返して発言を確認する 1時間の会議なら、聞き返すだけで1時間かかる
整える 発言の羅列を「決定事項」「宿題」に仕分けて清書する 会話は時系列、議事録は項目別。並べ替えが頭を使う
形にする 会社のフォーマットに流し込み、体裁を直す 毎回ゼロから整形している
配る ファイル名を付けて保存し、関係者に送る 地味だが毎回発生する

つまり議事録の正体は、「書く仕事」ではなく「聞き返して、仕分けて、整えて、配る仕事」です。そしてこの4つは、どれもAIが得意な作業です。逆に言うと、ここを人が手作業でやっている限り、どんなに速いツールを入れても3時間は減りません。

これまで|人が全部やる
聞き返す
▼
整える
▼
形にする
▼
配る
▼
3時間
いま|型を指示書にしてAIに渡す
聞き返す・整える・形にする・配るをAIに渡す
▼
人は決定事項・数字・固有名詞を確認する
▼
5分
図1 議事録の3時間の正体と、5分になる形

ツールを入れたのに時間が減らない、3つの失敗

「文字起こしツールはもう入れたが、議事録の時間は変わらない」——研修の現場でよく聞くお悩みです。原因はほぼ次の3つに集約されます。

失敗1:文字起こしを議事録だと思っている

文字起こしは、会話をそのまま文字にしたものです。読み手が知りたい「何が決まったか」「誰がいつまでに何をやるか」は、そのままでは埋もれています。文字起こしから議事録への仕分けと清書を人がやっていると、結局そこで1時間以上かかります。多くの会社が止まっているのは、この「最後のひと山」です。

失敗2:毎回、頼み方が変わっている

AIに「議事録にまとめて」とだけ頼むと、出てくる形式が毎回変わります。今日は表で、明日は箇条書きで、項目名も毎回違う——これでは毎回手直しが必要で、時短になりません。原因はAIの性能ではなく、「うちの議事録はこの形」という型を渡していないことです。

失敗3:固有名詞の誤変換を、その都度直している

文字起こしは、社名・人名・商品名をかなりの頻度で聞き間違えます。これを毎回手で直していると、それだけで時間が溶けます。ポイントは、直した結果を「次からはこう変換して」と指示書に書き足していくことです。誤変換は同じ単語で繰り返し起きるので、辞書が育つほど直す作業が減っていきます。

実際の手順4ステップ:議事録が5分になるまで

わたしたちが自社の会議で実際にやっている手順です。研修先の企業でも同じ形を組んで、議事録に3時間かけていた会社が、最後の確認だけの5分になっています。

STEP 1
録音と文字起こし
いまある機能で済ませる
STEP 2
型を指示書にする
ここがすべて。6項目の型を文章にしておく
STEP 3
AIが作り、人は確認
決定事項・数字・固有名詞だけ見る
STEP 4
保存と配布まで型に含める
ファイル名と保存先も指示書に書く
誤変換を見つけたら指示書の辞書に追記。直す作業が減っていく
図2 議事録が5分になる4ステップ

ステップ1:録音と文字起こしは、いまある機能で済ませる

ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsには文字起こし機能や録画機能があり、無料の文字起こしツールも選択肢は豊富です。ここで高機能なツールを探し始めると足が止まります。文字起こしの精度は「そこそこ」で構いません。誤変換の後始末は、次のステップの指示書が引き受けるからです。対面の会議なら、スマートフォンやICレコーダーの録音で十分です。

ステップ2:議事録の「型」を指示書にする(ここがすべて)

過去の議事録を1枚用意して、「うちの議事録に必要な項目」を書き出します。日時・出席者・決定事項・検討した内容・宿題(担当と期限)・次回予定——だいたいこの6項目に収まるはずです。これをAIへの指示書として文章にしておきます。全文はこのあとのテンプレートをご覧ください。

一度作れば、次回からは「文字起こしを渡して、指示書のとおりに」と頼むだけです。毎回同じ形式で出てくるので、手直しがなくなります。

ステップ3:AIに作らせて、人は「確認」だけをする

文字起こしと指示書をAIに渡すと、議事録の下書きが数分で出てきます。人の仕事は、決定事項と数字と固有名詞の確認です。「5分」の中身は、この確認の5分です。書く作業はもうありません。誤変換を見つけたら、その場で直すと同時に指示書の辞書に追記します。

ステップ4:保存と配布まで型に含める

意外と見落とされるのが最後の工程です。ファイル名の付け方(例:日付_会議名)と保存先まで指示書に書いておくと、探す時間もなくなります。ここまで自動化を進めたい場合は、ファイル保存までAIが行える Claude Codeという道具 もあります。「議事録を作って保存して」と頼めば、保存まで終わる形です。まずはチャット型AIで型を固めてから進むので十分です。

そのまま使える:議事録指示文テンプレート全文

わたしたちが実際に使っている指示文の骨格です。文字起こしの前にこの文章を貼り付けて(または保存しておいて)使ってください。

議事録作成の指示書(第1版)

これから会議の文字起こしを渡します。次のルールで議事録にまとめてください。

1. 形式
次の6項目の順番でまとめる。項目名は変えない。
・会議名/日時/出席者
・決定事項(箇条書き。決まったことだけを書く)
・検討した内容(決定に至らなかった論点と、その理由)
・宿題(「誰が・何を・いつまでに」の形で書く)
・次回予定
・補足(数字や日付など、あとで見返す情報)

2. 書き方
・発言の引用ではなく、要点に言い換える
・決定事項と宿題は、文字起こしにない内容を推測で足さない。不明なら「(要確認)」と書く
・金額・日付・数量は、文字起こしのとおりに書き、目立たせる

3. 固有名詞の辞書
次の単語は誤変換されやすいので、必ずこの表記にする。
・(例)「さろんでAI」→「Salon de AI」
・(誤変換を見つけるたびに、ここに追記していく)

4. ファイル名
「日付_会議名」の形式(例:20260816_定例会議)で提案する。

ポイントは2項です。「推測で足さない・不明なら(要確認)」の一行があるかどうかで、議事録の信頼性が大きく変わります。AIは空欄を埋めようとする性質があるため、埋めさせない指示を型に入れておきます。

なお、会議の音声には顧客名や経営数字が含まれます。どの情報をAIに入れてよいかは、社内ルールとして先に線を引いておくと安心です。ルールの作り方は前回の記事(生成AIの社内ルールは、まずA4一枚でいい)にテンプレートつきでまとめています。

よくあるご質問

無料ツールだけでもできますか?

できます。文字起こしはWeb会議の標準機能や無料ツールで足り、議事録化はチャット型AIの無料枠でも動きます。時間を減らすのはツールの性能ではなく指示書の型です。ただし業務情報を扱うため、無料版を個人アカウントで使い続けることには管理上のリスクがあります。本格運用は会社契約のアカウントに揃えることをおすすめします。

文字起こしが誤変換だらけで、使い物になりません。

誤変換をゼロにする必要はありません。議事録に残る誤変換のほとんどは固有名詞で、同じ単語が繰り返し間違われます。指示書の辞書に1回書けば、次からは自動で直った状態で出てきます。3〜4回の会議で辞書が育ち、直す作業はほぼなくなります。

AIが作った議事録を、そのまま送って大丈夫ですか?

確認なしで送るのはおすすめしません。とくに決定事項・金額・期限は必ず人が見てください。ここで事故を起こすと「AIの議事録は信用できない」という空気になり、取り組み自体が止まります。5分の確認は、時短の残りかすではなく、この運用を守るための本体です。

録音できない会議はどうすればいいですか?

手書きやテキストの走り書きメモでも、指示書に渡せば同じ型の議事録に清書されます。聞き返し時間の削減効果はありませんが、「整える・形にする」の時間は同じように消えます。録音の可否は相手のある話なので、社外との会議では先に確認してください。

まとめ:速いツールより、変わらない型

議事録づくりを5分にするために必要なことは、3つに集約されます。

  • 時間の正体を知る——3時間の中身は「聞き返す・仕分ける・整える・配る」で、すべてAIに渡せる
  • 型を指示書にする——毎回同じ頼み方をするから、毎回同じ形で出てくる
  • 人は確認に絞る——決定事項・数字・固有名詞だけは必ず人が見る

わたしたちの研修では、この指示書づくりを、その会社の実際の会議を題材に練習します。汎用のサンプルではなく自社の業務で練習するので、研修の翌日から同じ操作を繰り返すだけで活用できます。

「うちの会議でも同じことができるのか」を確かめたい方は、無料相談でご一緒します。お気軽にどうぞ。

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